バイブコーディングのやり方
バイブコーディングは、作りたいものを言葉で伝えて、AI にコードを書かせて作る作り方です。Claude Code か Codex を用意して、作るものを小さく1つ決め、AI に伝え、動かして直してもらい、公開する、の順で進めます。いちばんつまずくのは、提出先や公開先の「書かれていない決まり」です。
バイブコーディングとは
プログラムを1行ずつ自分で書くのではなく、「こういうものを作って」と AI に話しかけ、出来たものを見ながら「ここを直して」と頼んで仕上げていく作り方です。2025年に Andrej Karpathy 氏が名付けました。コードが読めなくても始められますが、出来上がりを確かめるのは自分です。
用意するもの
- AI のコーディング道具:Claude Code(Anthropic)か Codex(OpenAI)。入れ方と料金は、それぞれの公式の案内に従ってください
- 作業用のフォルダ:作るもの1つにつき1つ。ほかのものと混ぜない
- 公開するなら公開先:人に見せるときだけ。Vercel などがよく使われます
やり方(5ステップ)
- 作るものを小さく1つ決める:「予約システム」より「予約フォームの1画面」。最初は個人情報を扱わないものにします
- 作業フォルダで AI を起動して、作りたいものを伝える:誰が何のために使うか、見た目の好み、決まっている数字(大きさ・文字数など)を一緒に伝えます
- 動かして確かめ、直してほしい所を伝える:「ボタンを大きく」より「スマホで親指が届く位置に」のように、目的で伝えると早く直ります
- 提出先・公開先の決まりを確かめる:審査の規格や実機でしか起きない不具合は、AI が知らないことが多い所です(次の節)
- 公開・提出する:鍵(API キー)はコードに書かず、誰でも見られる状態になっていないかを確かめてから出します
つまずきやすい所(実際に踏んだ例)
AI は一般的な作り方は知っていますが、提出先の審査や、実機でしか起きない不具合は知らないことが多いです。nice to have のキットを作った人たちが、実際の仕事で踏んだ例です。
- LINE スタンプ:緑の背景を色でまとめて抜くと、キャラクターの内側に目に見えない穴が残り、「イラストの内部が透過されています」で審査に落ちます。外周からつながった緑だけを抜くと通ります。(LINEスタンプ開発キット)
- 画像生成:「透過 PNG で」と頼んでも、透過に見える市松模様を描いた画像が返ってくることがあります。そのまま使うと背景が残ります。(ドット絵モーションキット)
- YouTube のゲーム(Playables):Unity で
Time.timeScale = 0にしても一時停止にはならず、毎フレームの処理や音は動き続けます。メモリの上限に引っかかると、手元では動くのに iPhone で黙って落ちます。(YouTube ゲーム開発キット) - 資料:手元のブラウザでは出る記号が、公開した URL では出ないことがあります。公開したあとに URL を開いて確かめる手順を入れておくと、刷ってから気づく事故を防げます。(資料生成キット)
- AI への指示ファイル:Claude Code は
CLAUDE.md、Codex はAGENTS.mdを読みます。どちらでも使うなら入口を2つ置き、中身をそろえます。(キットをつくるキット)
毎回ゼロから頼まない:キットという「型」
同じ種類のものを作るなら、うまくいった手順と落とし穴の直しをまとめた「型」から始めると、出来がそろいます。nice to have は、その型(キット)を並べた棚です。Claude Code や Codex に1行貼るだけで、AI がキットを取り込んで作業を始めます。
- 資料生成キット:きれいな資料を、毎回おなじ体裁で
- LINEスタンプ開発キット:絵から、申請できる形に(動くスタンプも)
- ドット絵モーションキット:絵を1枚渡すと、動く16コマに
- 縦型リール量産キット:撮りっぱなしの素材から、商品紹介の縦型ショートを、確かめたいことを決めて作り分ける
- 家具を3Dにするキット:寸法図と商品写真から、ARに出せる3Dモデルに
- YouTube ゲーム開発キット:ゲームを、YouTube の要件どおりにして、申請まで
- ペット名付けキット:写真や情報から名前候補を広げ、最後は声に出して決める
- X自動投稿キット:書きためた下書きを、決めた時刻に毎日1本ずつ自動で出す
- 管理画面ととのえキット:いまある管理画面を、見やすく・キーボードでも使える形に整える
- 契約書レビューキット:契約書を渡すと、直す所と修正のお願いまで作る
- OSS ライセンス確認キット:アプリのフォルダを渡すだけで、OSSのライセンスを洗い出し表記を作る
- サービス紹介LPキット:サービス紹介のLPを、実在のサイトを数えてから作る
- 年末調整キット:申告書を渡すだけで年末調整の点検と計算ができる
- 労働条件通知書キット:話すだけで労働条件通知書ができ、最低賃金まで点検
- 請求書・領収書発行キット:話すだけで、インボイスの請求書と領収書ができ、入金まで追える
- 素材の権利表記チェックキット:サイトのフォルダを渡すだけで、画像とフォントの出どころと表記が分かる
よくある質問
プログラミングの知識がなくてもできますか?
はい、始められます。ただし、出来たものが正しく動くか、公開してよい状態かを確かめるのは自分です。鍵(API キー)をコードに書いていないか、誰でも見られる状態になっていないかは、必ず確かめてください。
無料でできますか?
Claude Code も Codex も、使うにはそれぞれのサービスの有料プランか API の契約が要ります。nice to have のキットには、無料で使えるものがあります。
Claude Code と Codex は、どちらがいいですか?
どちらでもバイブコーディングはできます。nice to have のキットは、同じ1行でどちらでも動くように作ってあります。
最初は何を作ればいいですか?
個人情報やお金を扱わない、小さなものから始めるのがおすすめです。紹介ページ(LP)・資料・LINE スタンプのように、出来上がりを目で確かめられるものは始めやすいです。